在本彌生写真集
『MAGICAL TRANSIT DAYS』
(2006年・artbeat publishers)
写真・文 在本彌生
編集 後藤繁雄
デザイン 中島英樹
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カメラを持って、世界中で写真を撮る女性が、世界中で何人いるのか解りません。そして僕は音楽家の癖に、ピアニストとは年間2人ぐらいしか仕事をしないのに対して、フォトグラファーとは100人ぐらい仕事をし、あまつさえその中には、日本人なら誰でも知ってる。という大御所の方も含まれるのですけれども、撮られていて「こらヤバい。ヤバいぞ何だか」とドキドキしたのは在本さんだけです。在本さんは、野蛮でエレガントだと思います。ここまで生臭さと繊細さを兼ね備えた日本人というのは、職業を問わず僕は余り知りません。
——菊地成孔(音楽家・文筆家)
008
詩・青柳拓次+絵・民
『ラジオ塔』
(2005年・artbeat publishers)
◎日々のことばを、詩と呼ぼう。
LITTLE CREATURESのメンバーであり、リーディングイベント「BOOKWORM」主催者、青柳拓次の詩に、DOUBLE FAMOUSのパーカッショニストの民が全編にわたって抽象画を描いた詩画集。後藤繁雄が編集し、一新された講談社現代新書の装丁が反響を呼んだ中島英樹が手掛けた、アートブック『ラジオ塔』。
○限定版400部 Aタイプ・箱入り(シリアルナンバー入り)
○限定版 30部 Bタイプ・大判(シリアルナンバー入り)
07
KPO15周年記念誌
『EXPOSE 2002 夢の彼方へ ヤノベケンジ×磯崎新』
(2002年・artbeat publishers)
今最も注目される若手現代美術アーティスト・ヤノベケンジと、建築界の巨匠・磯崎新が「未来の廃墟」を巡ってコラボレーション!!
これは単なる現代美術の「作品集」ではありません。美術評論家・椹木野衣の監修のもと、後藤繁雄が編集を行う、「1970年の大阪万博以降の美術の在り方を問う」“問題作”なのです。
「大阪万博」は、日本の現代美術において、極めて重要なポジションを持ちつつ、実は、今まであまり多くを語られてきてはいません。あのお祭り広場を演出し、ロボット「デメ君」を作った若き日の磯崎新も、そのことをずっと語ってきませんでした。一方、その「万博」が解体される場所を子供時代に「遊び場」としていたヤノベケンジは、放置された万博の風景に「あらかじめ失われてしまった未来」を見い出し、その喪失感を回復することから自らの創作をスタートさせました。日本現代美術の「ミッシング・リング」をつなぐ試みが、今、スペシャル・アートブックに結実する!!
○5分冊を銀色のパッケージにおさめた、ユニークなアートブックです。
●EXPO2002 EXHIBITION BOOK — KPOにおける今。展覧会を撮影したものが写真帖になる。
●EXPO2002 CONCEPT BOOK — ヤノベケンジの作品メイキング写真+スケッチ+アイデア。磯崎新作品資料+写真。ヤノべ+椹木対談。磯崎インタビューなどを収録。
●EXPO2002 KPO 15th ANNIVERSARY BOOK — 大竹伸朗、束芋、横尾忠則、篠山紀信、高松伸など、今までKPOで行われた展覧会ダイジェスト。KPO界隈・外観写真も。
●EXPO2002 KPO DATA BOOK — 15年分の展覧会リスト+内容ガイド。
●EXPO2002 QUESTIONNAIRE BOOK — 100人への「美術の未来」についてのアンケート・ファイル。
006
やなぎみわ作品集
『My Grandmothers: 001』
(2002年・artbeat publishers)
大好評、やなぎみわの「My Grandmothers」シリーズが、遂に写真集で登場します!! 若い女性たちに半世紀後の姿をイメージしてもらい、それをビジュアル化するこのプロジェクトは、理想の老女像を創作するために、特種メイクを施し、CG・合成背景を合体するという超大作。編集は同名展覧会プロデュースの後藤繁雄。ここに、おばあちゃんというファンタジーが完成。
005
塩田正幸写真集
『ンピーカー』
(2002年・artbeat publishers)
『STUDIO VOICE』誌や『HOME』誌上で活躍する写真家、塩田正幸が、ついにベールを脱ぐ。後藤繁雄大絶賛→責任編集。今、鬼才塩田の作品集が写真界の金字塔を目指す!
「写真と言う愛のカタチ」は色々あるけど、塩田君のソレは、苦さ、甘さ、孤独、笑い、ノイズ、瞬間、無意味、救い、生命などが微妙に優しく調合されていて、僕を泣かせる。喫茶店で編集の打ち合わせをした時間や、塩田君の笑い顔は忘れられないだろう。おめでとう。美しい作品集が出来ました。みんな買ってね。
仲條正義作品集
『仲條のフジのヤマイ』
(2002年・リトルモア)
スパイラル、ザ・ギンザのロゴデザインから資生堂パーラーのパッケージ、30年以上努める資生堂のPR誌『花椿』のアートディレクターなど、常に斬新なアプローチを見せるグラフィックデザイナー・仲條正義。グラフィックデザイン界でもひときわ異彩 を放つ彼のモノ作りのスタンスや瑞々しい感性、その作品や存在に影響を受けたデザイナーも少なくはありません。本書は「富士」をモチーフにした三十六点の作品と、後藤繁雄の質問に仲條氏が答えるかたちでの一問一答「仲條三十六景韜晦問答」を収録。天綴じで縦見開きのビニール入りです。懐かしくも新鮮で、どこかナゾめいたフジの姿「フジ三十六景」をご堪能ください。
仲條三十六景韜晦問答(一部抜粋)
第一問
G-その名のとおり「正義」であるか?
N-ブッシュが言うほどの正義ではない。背丈は1メートル60センチ、体重60キロの正義である。
第三問
G-あなたはインモラルであるか?
N-モラルとインモラルの境界がはっきりしない。
第七問
G-あなたの不治の病は?
N-臆病
第九問
G-ファッションとは何か?
N-「うつろひ」。芸術の本質だと思う。ファッションは軽く本質に触れられる。
第十ニ問
G-女と男とどちらが得であるか?
N-想像できない。胸が出っ張って股間が淋しいなんて。
第十六問
G-デザイナーの幸せとは何であるか?
N-一般には金を稼ぐことが第一義で、ついでに名声がついてくる。権力がないから身辺を飾りたてる。
第廿七問
G-デザインは技か? 知恵か?
N-二十世紀は技、二十一世紀は知恵。
第廿八問
G-デザイナーをこれから志す若者にひと言。
N-急げ。時間がない。
第卅五問
G-デザインにおいて、やってはいけないことは?
N-模倣。想像は模倣で始まってそれから逃げ出すプロセスである。
第卅六問
G-このすべての告白は真実なりや?
N-嘘と真の薄い皮膜の間だね。誰も本当のところなんか喋りやしない。デザインみたいなもんです。
仲條正義(なかじょう・まさよし)
1933年東京生まれ。'56年東京芸術大学美術学部図案科卒。同年資生堂宣伝部入社。'59年デスカ入社。'60年フリーとなり、'61年仲條デザイン事務所設立。資生堂PR誌『花椿』、ザ・ギンザ、松屋銀座、ワコールスパイラルの計画、資生堂パーラーなど、幅広いアート・ディレクションおよびデザインを手掛ける。ADC賞、ADC会員最高賞、SDA賞、講談社出版文化賞、ブックデザイン賞、日本宣伝賞山名賞、日本パッケージデザイン協会賞、毎日デザイン賞、TDC会員金賞・銅賞、全国カレンダー展通 商産業大尽賞など、数々の賞を受賞。
003
五木田智央リスペクツ赤塚不二夫
『OH! 天国』
(2001年・artbeat publishers)
忌野清志郎のCDジャケットに『Berfort!』UA特集号の表紙。1998年、突如としてイラストレーション界に参戦した五木田智央は、業界の話題を独占する作品を次々に発表。作品集『ランジェリーレスリング』も好評なまま、一年間の沈黙を経て、ついに待望のコラボレーション。戦後最大のギャグ漫画の王様、赤塚不二夫の素材をクレージーに活かした超問題作、完成!!
早川タケジ作品集
『paradis, paradis』
(2002年・リトルモア)
画家であり、またデザイナーである早川タケジが、スターたちの個性を発見し、最も輝かせた衣装写真の数々を年代順に収めた、ゴージャスで貴重な記録。
沢田研二さんのCDジャケットやポスター、年に一回のACTシリーズの公演の5年分の衣装を始め、幾多の豪華スターたちに提供した衣装、それにまつわる早川氏のコメントなども合わせ、他に類をみない豪華絢爛な一冊になりました。
早川タケジ(はやかわ・たけじ)
東京生まれ。1965年頃より「メンズクラブ」「平凡パンチ」のモデルとして活躍。同時にセツ・モードセミナーで絵の勉強を始める。以後、数々のイラストコンテストで多数の金賞を受賞。独自の色彩感覚と自在な造形感覚で1973年より現在まで沢田研二の衣装デザインを担当。特に「TOKIO」をはじめとする衝撃的なデザイン表現が有名。その他、橋本治文庫シリーズのデザインや林真理子「ファニーフェイスの死」のイラストなどのエディトリアルから、ファッション、広告など幅広く活動中。近年では、コラージュでタブローなどアーティスティックな創作活動に活躍の場を広げ、生来の感性を生かし独自の世界を築いている。1998年「アートファッション20世紀ファッションイラストの巨匠たち」展で日本人で唯一選出される。1999年より講談社「FRaU」誌上で「早川タケジのジャルダン・デ・モード」を連載。
「アウト・オブ・イマジネーション」
僕はよく、ある作品を前にした時、どのようにイマジネーションが働いたのかを夢想する。それは、想像力やイマジネーションなどというコトバなど存在しない、古代の寺院の装飾であったり、宗達や永徳のように人物像すらほとんど分からない人であったりすることが多い。何を見て、何を着想し、どこへ行こうとしたのか。イマジネーションがどう動いたか。それが、遠い過去であるのに、現在の我々よりはるかに強力であることに唖然とさせられる。
破ること。イマジネーションに最も重要なのはこのことだと思う。いかに破り、乱調と戯れ、傾き、宇宙の親和力を破ってアシメトリーへ向かえるか。残酷なまでに移ろう時間の経過のなかで、小さな調和よりエクストリームなものしか生き残ることはできない。 想像を破り、遠くへ行こうとする者こそ、永遠の美の国の住人である。
早川さんの仕事は、僕ら80年代を青春として生きたものにとって、最も強力な毒の一つであった。僕らは、早川さんの破格の美学にアディクトし、もっともっと強いイマジネーションのドラッグが欲しくなった。確実に早川さんの怪物的なイマジネーションによって遺伝子を組み換えられたのである。僕はこのエクストリームの王様に最高のオマージュを捧げる。
さあ、この本を手に入れるがいい。これは、想像力を破って遠くへ行くための禁断の書なのである。
後藤繁雄 (編集者/クリエイティブ・ディレクター)