『DOGOO HAIR』
塩田正幸
LOS APSON?
このあいだ、アーティストの五木田智央と吉祥寺の伊勢屋で飲んだ。酔いがまわった勢いで、2人で、塩田正幸に電話すると、すぐ来た。そしてカバンから赤くてぶ厚い写真アルバム『DOGOO HAIR』をドンと畳の上に出した。これは去年、新宿のレコードショップ LOS APSON?で塩田君が写真展をやった時のもので、見たとたん「しまった!!」と思った。3年前、僕は塩田君と彼の処女写真集『ンピーカー』(アートビートパブリッシャーズ刊)を出版したし、その後も彼が自ら手作りで出している『PHOTON ARCHIC』は知ってはいたが、こんなにスゴイものをつくっていたとは!! 猛反省。ビールや日本酒飲みながら、今年の夏NYで撮った写真で、超限定版写真集『LIFE HUNTER』を作ったことを聞かされ、矢も盾もいられなくなり、翌日、すぐに ゲットした。塩田正幸の写真は、旧い写真概念では捉えられない。「音楽」なのだ。それは言いかえれば、写真概念の拡張だ。僕は、はっきりと森山大道の最大のライバルは塩田正幸だと断言する。この限定写真集を今買うということは、無名時代のロバート・フランクを買うに等しい。本当である。