LIFE WORKS 2
1999-2004
a notebook of the black readings
『くろい読書の手帖』
(2004年・アートビートパブリッシャーズ)
雑誌『エスクァイア』に連載した、「オマージュの読書術」の'01年から'04年の36本を中心にまとめた書評に、坂本龍一、浅田彰との対談、そして推薦図書を167冊収録した。僕にとって本は、サヴァイヴァルするための「道具」であり、また「くろい」ものである。「くろい」には「黒い」「暗い」「冥い」などのニュアンスと、錬金術的な「黒=死→再生」という気持ちがある。ここに書評した世紀末から新世紀に書かれた本は、微かな「希望の波動」と、どうしようもない「ネガティブな波動」がないまぜになり、「物語化」されている。僕らは、それをくぐらないと「新しい生」には辿りつけない。この本は、僕の「くろい読書の旅」である。
書評作品——
メイプル・ソープ/夜になるまえに/老人のための残酷童話/小林秀雄全集/火山に恋して/京都発見/ホワイト・ティース/コンセプチュアル・アート/素粒子/評伝プルースト/シマノホホエミ/キッチン・コンフィデンシャル/ガラティア2.2/コカイン・ナイト/中上健次エッセイ撰集/マストロヤンニ自伝/南の光のなかで/だれでもない庭/沖縄ソウル/アンダーワールド/海辺のカフカ/タルコフスキー映画/暮しの手帖300号記念特別号/透明な対象/ハゴロモ/ブックストア/マルセル・デュシャン/魚が見た夢/ペイ・デイ!!!/星野道夫著作集/エッセイ/他者の苦痛へのまなざし/アウステルリッツ/さまよえる影/ポルノ/シンセミア/新たな生のほうへ/愛しあう/ロンリー・ハーツ・キラー